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社員が就業規則を破ったらどうするか

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会社と社員との間には、労働契約が締結されており、会社が社員に対して支払う賃金の額や、社員が会社に対して提供する役務など、様々な条件が双方の合意によって労働契約の内容となっています。

 

もっとも、労働契約を個々の社員との間で個別に締結していては、集団の統一的管理ができない他、契約に向けて労力と時間を要します。

 

そこで、会社は就業規則を制定し、社員を統一的に把握することができます。

これは労働契約法上認められたもので、就業規則が「周知」され、内容が「合理的」であれば、労働契約の内容となるとされています。

 

では、就業規則を破ったらどうするのでしょうか。

 

このページでは、社員が就業規則を破った場合についてご紹介します。

 

 

社員が就業規則を破った場合

 

社員が就業規則を破った場合会社が行うことができることとしては、以下のことが考えられます。

 

・注意

会社として特に懲戒処分等を行うほどの問題ととらえておらず、今後同じようなことがなければ構わないと穏便にとどめる姿勢であれば、任意に注意を促すことで足ります。

 

・始末書の提出

始末書の提出を求める場合には、懲戒処分ではないということを確認したうえで、任意に提出を促すことが、後に紛争に発展しないためには無難といえます。

 

・損害賠償請求

上述のように、周知され合理的な就業規則は労働契約の内容となっているため、これに反する社員の行為は、契約不履行となります。

民法上契約不履行責任として、債務不履行に基づく損害賠償請求を規定しているため、社員に対して、社員の就業規則違反との因果関係が認められる会社の損害について、一定程度の請求を行うことができます。

 

もっとも、会社は社員によって利益を得ているという性質上社会通念上相当な範囲に請求額が減額されることがあります。

 

・懲戒処分

懲戒処分には、戒告・けん責・減給・出勤停止・降格・論旨退職・懲戒解雇など、その不利益の程度は様々となります。

 

懲戒処分は会社が一方的に行い、社員に不利益をもたらすため、就業規則に懲戒事由と、懲戒処分の程度を記載しておかなければいけません。

 

また、上記観点から、懲戒処分に際しては、労働契約法上、別途労働者を保護する規定があり、懲戒処分を行う客観的に合理的な理由や、社会通念上の相当性が求められます。

 

 

企業法務にお困りの方は、三代・永野法律事務所へご相談ください

 

以上のように、就業規則に違反した社員がいた場合には適切な対応を行うことが求められます。

もっとも、懲戒処分をはじめ、労働契約法や労働基準法は、労働者を保護することを目的としており、労働者に対して不当な扱いをすると、使用者の側が法律に違反することになりかねません。

そこで、就業規則の作成段階から、違反時の対応にかけて、労働法務の専門家である弁護士に依頼することが求められます。

 

三代・永野法律事務所では労働法務を含む企業法務についてのご相談を広く承っております。

お困りの方は、お気軽にご相談ください。

お客様のニーズに合わせたリーガルサービスをご提供いたします。